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収入印紙とは
収入印紙とは印紙税が発生する際に、その支払いを証明するために貼る証票のことです。印紙税法という法律の中で定められている課税文書を発行する際は、それぞれ決められた金額(印紙税)を納める必要があり、収入印紙を貼ることで納付したことの証明ができます。
種類は全部で31種類あり、1円~100,000円まで用意されています。購入は、郵便局や法務局、コンビニ、金券ショップ等で可能です。郵便局や法務局であれば全種類買うことができます。緊急で必要になった際はコンビニが便利ですが、200円のみの取り扱いとなっているところが多いので注意してください。
収入印紙が必要な文書と料金
では印紙代を支払う対象となっている課税文書にはどんなものがあるのでしょうか。
印紙税法の中に定められている20項目の課税物件に当てはまる文書が対象となりますが、その中からよく使われる文書をピックアップしてご紹介します。金額も合わせてご確認ください。
◆第1号文章 ※記載された契約金額によって印紙税が異なります(印紙税額参照)。
号 | 文書の種類 | 印紙税額 |
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1 |
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◆第2号文章 ※記載された契約金額によって印紙税が異なります(印紙税額参照)。
号 | 文書の種類 | 印紙税額 |
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2 |
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◆第7号文章
号 | 文書の種類 | 印紙税額 |
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7 |
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全文書(20項目)の印紙税額についてご覧になりたい方は、国税庁のホームページをご覧ください。
(参考):国税庁|No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで (参考):国税庁|No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで収入印紙はだれが負担するのか
では印紙代は誰が払うものなのでしょうか。結論から申しますと課税文書を作った者が払うことになっています。しかし、一つの課税文書を共同で作った場合は、双方が納めなければなりません。
この場合、通常は文書の原本を2枚作成し、お互い1通分の印紙代を支払います。
また、片方が原本、もう片方がそのコピーを保管することになった場合は、通常、原本を持っている方が印紙代を負担することが多いです。
そもそも収入印紙が不要な文書
前項で必要な文書について確認しましたが、そもそも印紙が不要な文書についても見ていきましょう。
シンプルに表現するのであれば、以下のようになります。
・印紙税法の課税物件表に当てはまらないもの
印紙税法にある20項目の課税物件に当てはまらない文書であれば印紙は不要です。
印紙が不要な契約書の一例は以下のコラムでも解説しておりますので合わせてご覧ください。
・課税文書の場合でも契約金額が1万円未満のもの
「第1号文書」「第2号文書」「第15文書」は、契約金額が1万円未満であれば非課税となり印紙は不要です。
収入印紙の節約方法
本題に入りましょう。課税文書の印紙代をできるだけ抑えるためには、基本的なものから少々テクニカルなものまで様々ですが、今回は比較的実用的な方法をいくつかご紹介いたします。
契約金額を区分記載
契約書に表記する契約金額を区分記載することで印紙代の削減ができます。
不動産売買契約書を例に見てみましょう。
例)不動産売買契約書で記載された契約金額が550万円(税込)の場合
例えば、契約金額が550万(税込)と記載した場合、通常は1万円分の収入印紙が必要になります。
しかし、以下のように記載すると契約金額は500万円となり、印紙代を2千円にできます。
契約金額 550万円 (税抜価格500万円、消費税額等50万円)
ただし、この方法が使えるのは「第1号文書」、「第2号文書」、「第17文書」となります。
上記以外の文書には使えませんのでご注意ください。
書き方を工夫し非課税文書にする
書き方を工夫することでも節約に繋がります。
例えば、「売買取引基本契約書」などの第七号文書は、「契約期間が3カ月以内で、かつ、更新の定めのないものは除く」と定められています。
よって短期間(3カ月以内)の契約期間に押さえ、更新に関する定めを書かないようにすれば課税対象ではなくなり、印紙代は不要です。
第七号文の印紙代は一律4000円となりますから契約頻度が多い会社様は大幅に節約できるでしょう。
ただし、長期契約の場合はあまりおすすめできません。非課税文書とする為には常に短期の契約期間を意識しなければならず、期間が近づく度に契約書の更新をかける必要があるので必然的に更新頻度が上がってしまいます。これでは自社も相手先にとっても良い方法とはいえません。
あくまでも短期契約に有効になりますので、長期契約を交わす際は有効ではありません。
第七号文書で長期契約を交わす頻度が高いのであれば、この後ご紹介する電子契約サービスを使うのがおすすめです。電子契約であれば印紙代は不要になります。
電子契約サービスを使う
DX-Signをはじめとする電子契約サービスを利用するのも手です。そもそも印紙は紙での契約において発生する為、その要因を根本的に取り除こうとする方法になります。
電子契約を使う場合は、たとえ印紙税法に定める課税対象となる文書であっても収入印紙が不要となります。結果、印紙代の削減へ繋げることができます。
国税庁の見解によりますと、電子ファイルの送受信により契約を交わすこと(=つまり電子契約)は課税文書を作成したことにはならないといいます。
※ただし、電子契約で交わした後に、それをコピーして相手方へ渡した時は課税文書を作ったこととみなされ印紙代が発生するので注意です。
月に印紙代が必要な文書を多く扱う会社様にとっては、電子契約を使うことにより削減効果をより感じていただけるのではないかと思います。
電子契約で印紙が不要になる理由は以下のコラムでご紹介しておりますので合わせてご覧ください。
金券ショップで買う
金券ショップで買うのも良いでしょう。額面よりも1~2%安く買うことができます。
ただし、使われる頻度が高い200~400円くらいの印紙を在庫として用意している所が多く、大きい額面だと品切れになっているケースがありますのでご注意ください。高額な印紙が必要な場合は郵便局か法務局で買うことをおすすめします。
また、過去には偽物の印紙が金券店に持ち込まれる事件もあり、もしかしたら偽物を買ってしまう可能性もゼロではありません。金券ショップ側も偽物を売ってしまうとお店の存続に関わりますので、買取には入念な確認がされています。しかし、全てのお店が100%安全とは言い切れません。
チケット業界の健全な発展に努める「日本チケット商協同組合」に登録されている加盟店のショップであれば、安心して利用ができるかと思います。安全なショップを利用する指標の一つとして参考にしてください。
契約書のコピーを利用する
契約書をコピーすることでも印紙代を節約できます。
契約書の原本には印紙が必要ですが、そのコピーに対しては印紙代は不要です。
ただし、そのコピーに「原本と相違がないこと」等が記載されており、原本と同様の扱いができる場合は課税文書になりますので記載内容をよくご確認ください。
その他の方法
その他の方法としては、あまり有効とはいえませんがはじめから契約書を作成しないことも挙げられます。
実は契約というのは双方が合意していれば成立するので、口約束でも可能です。そのため契約書を作成していなくても問題はないのですが、皆様もご存じのように契約書を交わしていないとトラブルが起きた際の内容証明をするものがなく、証拠がそろえられません。
よって特にビジネスの場では契約書を交わすことが一般的ですので、あくまでも参考程度に抑えていただければと思います。
収入印紙の節約には電子契約がおすすめ!
前章でもご紹介いたしましたが、収入印紙の節約において、電子契約サービスもおすすめです。
電子契約を使うことでそもそも印紙を貼る必要がなくなります。
みなさんが収入印紙といわれて想像する金額はいくらでしょうか。
おそらく、比較的入手しやすい200円のものを想像される方が多いかと思います。
この200円という金額ですが普段印紙を利用する機会が少なければ、「たまに200円掛かるくらいなら気にしない」という方もいらっしゃるでしょう。しかし、印紙が必要な書類を月に何十件も交わすようになるとどうでしょうか。200円といえども最終的には結構な額になってしまいます。
さらに、契約金額によって印紙代が変わる文書もありますので、例えば「工事請負契約」や「不動産売買契約」において取引金額の大きいものを扱う会社様から、年間の印紙代に悩みを抱えているというお声もよく聞きます。
上記のようなケースに当てはまる会社様であれば、電子契約の導入で印紙コストを大幅に削減できる可能性があります。ぜひこの機会に電子契約の導入を検討されてはいかがでしょうか。いきなり有料プランはハードルが高いと思われる方は、無料で使える電子契約から検討するのがオススメです。電子契約にご興味をお持ちの方は以下コラムも合わせてご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
収入印紙には貼り付けが必要な場合と、そもそも不要な場合ございますので、印紙税額表を良く確認しましょう。
また、仮に印紙が必要な書類でも節約することは可能ですので、毎月の印紙代にお困りの方は今回ご紹介した方法を参考にしてみてください。