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契約書に収入印紙は必ず必要?条件や金額について解説!

契約書に収入印紙は必ず必要?条件や金額について解説!

今回のテーマは契約書への収入印紙です。これまでにも、電子契約による収入印紙代の削減をテーマにしたコラムをいくつかご案内して参りました。特に前回、収入印紙を取り上げた際には「契約書に印紙が不要な場合の条件とは?」というタイトルの元で、契約書で収入印紙が「不要」になるケースにフォーカスしご紹介をさせて頂きました。
(参考)コラム:契約書に印紙が不要な場合の条件とは?
その際にお客様より「逆に必要となる場合は?」とのご質問も多く頂戴いたしました。そこで、契約書に収入印紙が必要になる場合とその金額、及び注意点などについて今回はご案内させていただきます。

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収入印紙とは

収入印紙は課税対象となる文書へ貼り付ける証票のことで、印紙税の支払いを証明する役割がございます。

(参考)コラム:収入印紙とは何か?領収書への貼り方と金額も解説!

印紙税法によって課税文書に該当する書類は20種類定められており、契約書も取引の内容と取引金額により課税文書に該当し、収入印紙を貼り割印(消印)をする必要が出てまいります。
収入印紙への消印は、収入印紙を使用済として支払ったことを証明するのに必要となります。消印がなければ収入印紙を貼っていても、印紙税の納付としては認められませんので注意が必要です。

契約書に収入印紙が必要となる場合

契約書の中で印紙が必要となる契約書についてご紹介いたします。
まず第1号文書と呼ばれる文書に該当する書類として、「不動産売買契約書」や「不動産交換契約書」がございます。その他にも、「土地賃貸借契約書」「金銭消費賃借契約書」「運送契約書」なども第一号文書に該当いたします。
なお、取引金額が1万円未満の場合は非課税となり、収入印紙が不要となります。
次に第2号文書です。こちらは請負に関する契約書が該当いたします。「工事請負契約書」「広告契約書」など、請負人が相手方に対して仕事を約束し、完成した対価として注文者が報酬を支払う契約形態の契約書が該当します。契約金額によって印紙税額は異なります。
その他では、第5号文書では「合併契約書」が該当し、第7号文書では、継続的な取引の基本となる契約書として、「売買取引基本契約書」や「代理店契約書」「業務委託契約書」などが期間等の条件はございますが該当いたします。
それぞれの具体的な内容や収入印紙の金額等は後述いたします。

契約書に収入印紙は不要となる場合

契約書に入印紙が不要となる場合ですが、印紙税法に定められる課税文書に該当しなければ不課税となり、当然不要となりますが、その他でも、非課税となるケースとして、契約金額が1万円未満の場合であったり、電子契約サービスなどで電子ファイルとした場合などがあげられます。
こちらは、収入印紙の節約のポイントという内容で後ほど詳しくご案内いたします。

収入印紙が必要となる契約書の種類とその金額

契約書に収入印紙は必ず必要?条件や金額について解説!

それでは、実際に収入印紙が必要となる契約書と、その金額についてそれぞれ見ていきましょう。

第1号文書

不動産売買契約書、不動産交換契約書、不動産売渡証書などの「不動産、鉱業権、無体財産権、船舶もしくは航空機または営業の譲渡に関する契約書」や、土地賃貸借契約書、土地賃料変更契約書などの「地上権または土地の賃借権の設定または譲渡に関する契約書」、金銭借用証書、金銭消費貸借契約書などの「消費貸借に関する契約書」、運送契約書、貨物運送引受書などの「運送に関する契約書(傭船契約書を含む。)」が第1号文書です。

契約書に記載された金額により印紙税額が異なります。
1万円未満の場合:非課税
10万円以下の場合:200円
10万円を超え50万円以下の場合:400円
50万円を超え100万円以下の場合:1千円
100万円を超え500万円以下の場合:2千円
500万円を超え1千万円以下の場合:1万円
1千万円を超え5千万円以下の場合:2万円
5千万円を超え1億円以下の場合:6万円
1億円を超え5億円以下の場合:10万円
5億円を超え10億円以下の場合:20万円
10億円を超え50億円以下の場合:40万円
50億円を超えるものの場合:60万円
と定められており、契約金額の記載のないものは 200円となります。

第2号文書

工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文請書、広告契約書、映画俳優専属契約書、請負金額変更契約書などの「請負に関する契約書」が第2号文書に該当します。
1万円未満の場合:非課税
100万円以下の場合:200円
100万円を超え200万円以下の場合:400円
200万円を超え300万円以下の場合:1千円
300万円を超え500万円以下の場合:2千円
500万円を超え1千万円以下の場合:1万円
1千万円を超え5千万円以下の場合:2万円
5千万円を超え1億円以下の場合:6万円
1億円を超え5億円以下の場合:10万円
5億円を超え10億円以下の場合:20万円
10億円を超え50億円以下の場合:40万円
50億円を超えるものの場合:60万円
と定められており、契約金額の記載のないものは 200円となります。

第5号文書

こちらの第5号文書に該当するのには、合併契約書又は吸収分割契約書、もしくは新設分割計画書がございます。会社における合併、あるいは、株式会社や合名会社の吸収分割など、会社単位での契約文書に対して収入印紙が必要となります。
第5号文書で必要となる印紙税額は一律で4万円となります。
なお、ここでいう合併契約書は、会社法第748条に規定する合併契約を証する文書に限られるとされており、会社以外の法人が作成する合併契約書については、課税文書に該当しません。
その他、合併契約等で定めることとして規定されていない事項についてのみ変更する文書や補充する文書も収入印紙を必要としないとされています。例えば、労働契約の継承に関する事項や就任する役員に関する事項等です。これらの事項等についてのみ変更する文書は「合併契約の変更又は補充の事実を証するもの」には該当しないとされ、収入印紙が不要となります。

第7号文書

売買取引基本契約書、代理店契約書、業務委託契約書などの「継続的取引の基本となる契約書」が第7号文書です。こちらの印紙税額は一律で4,000円となります。
第7号文書に定められる書類は、継続的な取引の際に必要となる基本契約書となりますが、当てはまる要件としては、次のようなポイントがございます。
・継続的取引の基本:契約期間の記載のあるもので契約期間が3カ月以内であり、更新に関する定めのないものは除く
・営業者間で締結される契約である
・契約の取り引きが、「売買」「売買の委託」「運送」「運送取扱い」「請負」のいずれかに該当する
・売買等の契約に関して2つ以上の取引きを継続して行うことが予定されている

以上の点を踏まえ、次のような節約ポイントもご紹介させていただきます。
・契約期間を3カ月以内に抑えて更新に関する定めを置かないこと。
例えば、第2号文書である請負契約書であれば、取引金額が100万円以下であれば200円の収入印紙となります。第7号文書が一律4,000円となりますので、相手方との取り決めによっては節約につなげる事も可能です。
・取引きの内容が「委任契約や準委任契約」にならないかの確認
この点は判定に課題がございますので詳しくは担当の税理士の方など専門家との確認は必要となりますが、第7号文書の要件とされる取引内容でなければ収入印紙は不要となって参ります。
・基本契約の内容も個別契約に含める形で契約を分割する
複数の取引を予定している基本契約ではなく、単発での個別契約においては第7号文書に該当しなくなります。例えば、基本契約を締結せずに、個別契約において基本契約に必要な内容を含める事が可能であれば、収入印紙の節約につなげていただく事も可能といえます。

その他

ここまで、課税文書となる契約書のうち、主な契約書類についてご案内いたしました。
その他にも、第12号文書として「信託契約を証明する文書」や、第13号文書として「債務の保証に関連する契約書」、第14号文書として「金銭や有価証券の寄託に関する契約書」、第15号文書として「債務の移転についての文書」といった書類が収入印紙が必要となる文書としてあげられます。その他という事でご紹介しました書類について必要となる収入印紙の金額は該当する場合200円となります。

契約書の収入印紙に関する注意点

収入印紙に関してよく頂くご質問を元に、注意点をいくつかご紹介いたします。

どちらが収入印紙の代金を負担するのか取り決める

契約は複数の当事者における「権利」と「義務」をまとめて締結されるものです。
複数の当事者が関わる以上、収入印紙の代金を「誰が」あるいは、「どちらが」負担するのかが問題となります。
一般的には、原則として、課税文書を作成した者が負担することとなっております。ただし、双方が保管する契約書においては2社間であれば2通ともに収入印紙が必要となります。この場合は、当事者で連携のうえ、それぞれ1通ずつ負担する事が多いです。
なお、関連して下請法の規定に抵触しないよう注意する必要もございます。例えば、親事業者の立場から、印紙代を下請事業者に強制的に全額負担させるようなことはすべきではありません。不当な経済上の利益の提供要請の禁止とならないような注意が必要です。

収入印紙を貼る場所と消印(割印)を行うこと

収入印紙を貼る場所に規定があるわけではございませんが、一般的には、左上の余白部分に貼られる事が多いです。
ここで大切なのは貼り付けた印紙へ割印(正式には消印です。)を行うという事です。
収入印紙は消印がされる事により納税を証明する役割を果たせますので、収入印紙を貼るという事と消印をするという事は合わせて対応しておくようにしましょう。

収入印紙を貼り忘れた場合の対応

税務署の調査により課税文書へ印紙が貼りつけられていない点を指摘された場合は、過怠税の支払いが必要となって参ります。消印を行わなかった場合も同様となりますので、貼り忘れや消印の押し忘れには注意しましょう。
貼り忘れた場合ですが、税務調査前に貼り忘れた旨を自主的に申し出る事で過怠税を軽減させられます。貼り忘れた場合はお早めに自己申告をするようにして頂ければと思います。

契約書の収入印紙代を節約する方法

契約書に収入印紙は必ず必要?条件や金額について解説!

収入印紙の金額も重なると大きな金額になって参ります。節約するポイントはコスト削減にもつながりますのでお問い合わせいただく事も多くございます。そこで、いくつか節約するポイントについてもご紹介させていただきます。

課税と非課税のポイントを抑え、非課税文書とする

こちらは、第7号文書のご案内の際にも少しご紹介させて頂きました節約方法となります。
課税文書となる契約書には金額であったり期間であったり、その他にも様々な要件が定義されております。
言い換えれば、課税文書の要件を満たさなければ非課税文書とする事ができますので、テクニック的な話にはなって参りますが、取引の内容や契約の内容を良く確認しながら、非課税化を検討してみるのも良いかもしれません。なお、判断が難しい部分も多いですので、税理士の方にも確認を取りながら進めることをお勧めいたします。

電子契約サービスを利用する

最も簡単な節約方法が、電子契約サービスにより契約書類を電子化してしまう方法です。
電子化により収入印紙が不要になる理由は、国税庁による見解と国会答弁による見解から説明できます。

(外部:参考資料)
https://www.nta.go.jp/about/organization/fukuoka/bunshokaito/inshi_sonota/081024/02.htm

この点について、以下のコラムで詳しくご案内しておりますので、ご興味ございましたらご覧ください。

電子契約に移行するメリット

電子契約サービスを利用して、契約書を電子化する事は、収入印紙代の削減以外にもメリットがたくさんございます。
コストの削減効果で言えば、印刷代や紙代、作業に関わる人件費、郵送する際の郵送代なども削減ポイントです。契約書が複数枚に渡る場合は製本して契印を押す必要もございます。当事者の部数分に作成し割印をする必要もございます。作業のコストも以外に大きいものです。
作業コストと合わせ、業務のプロセスを大きく改善できるのも電子契約サービスを利用するメリットです。
クラウド上にPDFファイルをアップロードし、当事者双方の合意を行う、早ければ数分で契約締結を行う事ができます。もちろん、押印の為の出社、などというのも不要となります。
その他、DX-Signのように、便利機能も標準搭載している電子契約サービスであれば、契約書を管理するフォルダごとの閲覧権限や、書類をインポートしての一元管理、といった機能もすぐにご利用いただけます。
社内でのワークフローを踏まえて、契約書の文書管理として、電子契約の使い方の幅を広げる事が可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
これまでにも収入印紙に関するコラムは数回に渡りご紹介させていただきました。
何が課税文書で、どのような時に収入印紙が必要になるのか、は業務上、結構悩まれている方も多くいらっしゃいます。私たちもお客様よりご質問いただく機会も多い為、今後も定期的にご紹介できればと思いますが、宜しければ過去にご案内いたしました収入印紙に関するコラムもご参照ください。

(参考)コラム:電子契約によって収入印紙が不要になる理由。電子発行の仕組みを解説 (参考)コラム:収入印紙の割印(消印)とは?間違いやすい部分や注意点を紹介 (参考)コラム:賃貸借契約書に印紙は必要?印紙税の課税対象基準を解説! (参考)コラム:収入印紙とは何か?領収書への貼り方と金額も解説! (参考)コラム:契約書に印紙が不要な場合の条件とは?

また、重ね重ねで恐縮ではございますが、収入印紙の削減ポイントとして、電子契約サービスの利用による電子化もご紹介させていただいております。
こちらについては、以下のフォームより無料で詳細な資料をダウンロードいただく事が可能です。
収入印紙代の削減や電子契約のメリット、そもそも電子契約や電子署名とは、といった事に、少しでもご興味ございましたら以下より資料ダウンロードいただければと思います。


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記事執筆者 / 記事監修者

DX-Sign メディア編集室

株式会社バルテックサインマーケティング部 時田・秋山

 
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