目次
電子契約サービスのメリットとは
そもそも電子契約サービスを使うとどのようなメリットがあるのでしょう。「電子契約が気になるけれど、どのように役に立つのかがよくわからない」という方へ、ここでは代表的なメリットをいくつかご紹介します。
コスト削減になる
書面での契約にかかるコストのひとつに収入印紙がございます。収入印紙は、課税文書にかかる証票のことで、対象となる契約を締結する場合は印紙を購入する必要がございました。実は、電子契約にすればこの収入印紙が不要となりますので、月々の印紙代に悩まれていた方におすすめです。また、これまで紙の契約書で必要だった印刷や郵送作業が不要になりますのでそれぞれにかかるコストも同時に削減できます。
なお、収入印紙が不要になる理由については以下より詳しくご紹介しております。合わせてご覧ください。
テレワークにも対応
近年主流になりつつあるテレワーク。電子契約はオンラインで完結できるクラウドサービスとなりますのでテレワークに適したサービスといえます。
電子契約にすればメールで該当の書類を送受信できますので、郵送や受取のために会社に出向く必要はございません。そのためネットワーク環境があればいつでもどこでもかんたんに契約を結ぶことができます。
無料の電子契約サービスを選ぶポイント
本題に入る前に、無料の電子契約サービスを選ぶ際のポイントについてお伝えします。お試しをする上での判断基準の一つとしてご参考いただければと思います。
無料で使える期間
まず一つ目は、無料で使える期間の確認です。一口に無料で使えるといいましてもその定義はサービス事業者によって様々です。永久に無料で使えるとする所もあれば、期限付きで使えるとしている場合もあります。期限付きの場合はいつまで使えるのか、有効期限を確認しておきましょう。
制限される機能
次は制限のある機能についての確認です。無料で使える場合は一部機能に制限を設けているケースがございます。例えば、月間に送信できる件数や登録できるアカウント数です。
必ず各サイトのプラン内容を見て、無料だとどの機能に制限があるのか確認しておきましょう。
最低限必要な機能
まだ電子契約を使ったことがない場合は、最低限必要な機能が用意されているかどうかの判断も難しいところかと思います。しかし、最低限あった方が良い機能を把握しておくことは、良い電子契約をサービスを見極める事前知識として大いに役立ちます。
特に以下の機能は、電子契約による契約締結において最低限確認しておきたいポイントですので、意識して見てみると良いでしょう。
①電子署名、電子印鑑、タイムスタンプなど締結に必要な機能
電子署名は電子契約に法的な証明力を持たせるために必須な機能です。署名という言葉が入っているのでタッチペンなどでサインすることと思われる方もいらっしゃいますが、そうではなく、公開鍵暗号方式という暗号処理化処理のことを指します。電子署名を施すことで、電子文書において「誰が」「何を」作成したのかという証明が可能です。
電子印鑑は単純に印影を画像データにしたものです。電子印鑑単体では電子文書の法的効力を得ることはできませんので、社外との取引には使うべきではありませんが、社内の回覧書類などに押印する場合にはおすすめです。
タイムスタンプは電子文書の日付や時刻を記録する仕組みで、その文書がいつ作られたのか、改ざんされていない文書かを証明できます。電子署名だけでは補えない「いつ」作成したのかという部分の証明に役立ちます。
②締結ステータス管理、アラート機能など契約締結の進行上で必要な機能
締結ステータス管理は、だれがいつ承認したのか簡単にチェックができる機能です。また、誰で確認が止まっているのかについてもわかるので、必要に応じて対象者にリマインドできます。対象者はうっかり確認を忘れていたとしても、クラウド上ですぐ確認できますので、送信者・受信者双方にとって契約業務がスムーズに行えます。
アラート機能は、例えば、契約期間の変更が定期的に必要な書類に対し、アラートが欲しい日にちを予め設定できる機能です。この機能を使えば、更新日が近づくタイミングで通知が来るため、更新忘れを防げます。
まずは①②のような機能があるかどうかを参考にしながら選び、使っていくうちに新たに必要な機能を発見していきましょう。
相手先のアカウント登録有無
意外と重要な点が、いざ契約をするとなった際に、相手先もアカウント登録が必要かどうかということです。
もし、相手先も登録が必要な場合は締結の際に登録してもらうことを事前にお伝えしておくと丁寧です。なぜならば、相手方の理解が得られないままではせっかく電子契約を導入しても、実際に利用することを進めにくくなります。
相手方は登録しなくても利用できるサービスを選ぶと、このような心配は不要となります。
誰にとっても使いやすい操作性
誰にでも使いやすいかというのもポイントです。社内はもちろん、将来的には取引先にも利用していただくからです。特に以下のような項目です。
・ボタンがクリックしやすいか
・書類に不備があった場合取り下げが却下が簡単に行えるか
・電子印鑑の設定や項目への記入がスムーズか・・・etc
これらの使い心地は使ってみないことにはわかりませんので、無料で使える期間に注意しながら、実際に触って操作を確かめてください。
サービスの安全性
最後に何よりも重要なのが安全なサービスかという事です。
当たり前に聞こえるかもしれませんが、電子契約は重要な書類を扱う頻度が高く、個人情報の記入も含まれますのでセキュリティー対策が万全がどうかは特に重要視すべき部分です。各サイトの内容を確認し、セキュリティーについてどのような対策がされているのかチェックしてください。
また、法務省が認定しているサービスかどうかというのも指標の一つにはなるかと思います。
詳しくは以下のページをご参考ください。
必ず押さえたい無料で使える電子契約サービス
それでは、一度は無料で試しておきたいおすすめの電子契約をご紹介いたします。
電子印鑑GMOサイン
電子印鑑GMOサインでは「お試しフリープラン」として無料で電子契約をお試しいただけます。
送信できるのは立会人型の電子署名で月間5件までの制限はございますが、文書テンプレートやアドレス帳機能も含めて、本格導入する前に仕様をご確認いただけます。
登録できるユーザー数は1ユーザーまでとなりますが、導入検討のためのお試しであれば充分にご確認いただけるでしょう。
運営会社:GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
参照サイト https://www.gmosign.com/
クラウドサイン
CMなど広告展開も広くされており知名度は高いクラウドサインでも「フリープラン」に登録すれば無料でお試しいただくことができます。
月間5件までの送信制限であることと、登録できるユーザーが1名に限定されるという成約はございますが、契約書の送信から保管、そして検索といった一連の流れをご確認いただくことができます。
運営会社:弁護士ドットコム株式会社
参照サイト https://www.cloudsign.jp/
DX-Sign
DX-Signは電子契約における様々な充実機能を低コストで利用できるとして高い評価を受けている電子契約サービスです。
電子印鑑GMOサインやクラウドサインと同じく、DX-Signでも、月間5件までの送信制限と登録できるユーザーが1名に限定されるFreeプランが用意されております。
このFreeプランであっても、契約書の送信や保管や管理、多角的な検索機能をお試しいただける内容となっております。
更に充実した機能のすべてを試したいという方へ、Normalプランを一定期間、無料でお試しいただけるキャンペーンを展開していることもございます。
運営会社:株式会社バルテックサイン
参照サイト https://www.dx-sign.jp/
みんなの電子署名
みんなの電子署名は基本料金完全無料となる電子契約サービスです。
お試しという概念ではなく、安心して無料で導入と利用が可能となります。
なお1年以上経過して保管する文書へは、保管する文書の枚数に応じた保管料金が発生いたします。
保管しない場合の電子契約書のお取り扱いについては事前によく社内で運用を確認しておくようにしましょう。
運営会社:株式会社ベクター
参照サイト https://es.vector.co.jp/index.php
freeeサイン
freeeサインでは、無料プランで電子契約をお試しいただくことができます。
なお、文書を送信できる件数は、電子署名ではなく電子サインで月間1通まで、登録できるテンプレートは3つまで、という制約がございます。電子署名での送信はご利用いただけませんので注意が必要です。
登録できるアカウント数も1名までとなりますので、使い勝手の確認という意味合いで試してみるのが良いでしょう。
運営会社:freeeサイン株式会社
参照サイト https://www.freee.co.jp/sign/
BtoBプラットフォーム契約書
BtoBプラットフォーム契約書を無料でお試し頂く際には、フリープランへ登録することで利用が可能です。フリープランでは、月間5件までの契約締結をお試しいただくことが可能です。
運営会社:株式会社インフォマート
参照サイト https://www.infomart.co.jp/contract/
電子契約サービスを無料で試しておく3つの理由
無料プランで試しておく代表的な理由について整理しておきます。
導入リスクの軽減になる
無料プランを使うことにより、万が一自社と合わないツールだったとしても費用が掛からずやめることができるので安心です。そのため、導入前にかかってしまう初期費用や月額費用発生の心配はございません。ただし、無料期間を過ぎると料金が発生する場合もありますので期限の確認は事前にしておきましょう。
操作性を確かめることができる
本格導入前にシステムを触ることで、自社にとって使いやすいかどうかを確かめられます。先々社内全体で利用することを考えますと、担当者だけでなくなるべく複数人で操作を確かめてみるのをおすすめします。その際、無料である期間が決められているサービスではなく、完全無料で使えるサービスを選んでおくと安心して試すことができるでしょう。
自社にとって必要な機能を整理できる
無料プランですと思い立った時に気軽に使えて導入のハードルが低いので、自社にとって必要な機能は何なのかを整理できるのも良い点です。
結局のところ、自社にとって必要な機能は実際に使ってみないと分からないという事があるかと思います。しかし、有料プランですとどうしても利用に勇気が要ります。そんな時、無料プランを活用することで使う機能と使わない機能があることに気づいたり、こんな機能があればもっと便利に使えそうなどといった新たな発見に役立ちます。
電子契約サービスを無料で使う際の注意点
無料で使えるのは便利な一方、デメリットもございます。注意すべき点も確認しておきましょう。
ファイルの対応形式に注意
電子契約サービスが対応しているファイルを確認しておきましょう。例えば「Adobe Acrobat DC」や「Adobe Acrobat Reader DC」を指定している場合は、PDFのみ対応となります。ExcelやWord形式では使えないので注意が必要です。
アカウント利用の制限
無料の場合、登録できるアカウント数に制限のあるケースがございます。複数アカウントを作る場合は、制限のない有料プランも合わせてご検討ください。
契約できる件数の制限
無料の場合、契約できる書類の件数に毎月制限がかかる場合がございます。後々、契約する数が増えていく可能性を考えると、無料で使い続けるには限界があるでしょう。
無料期間に制限
前述したサービス選びのポイントとも被りますが、無料で使える期間が限られている場合がございます。
期限を把握していなかったことで十分に活用しないまま期限を迎えてしまったり、知らずに有料プランへと移行していたといったことがないよう、いつまで無料で使えるのかしっかりと確認の上利用してください。
サービス事業者によって期限の設定が異なりますので、不明な場合は担当者に確認してください。
セキュリティに不安が残る
無料といわれると気になるのがセキュリティ面です。
前述のサービス選びのポイントでも触れましたが、セキュリティに対しどのような対策がとられているかは確認しておきましょう。専用の資料などがあれば入手し、情報システム担当者あるいは法務担当者とご相談の上判断いただければと思います。
有料プランを考えるべきタイミング
事業の拡大とともに業務や人数が増えると無料プランでは賄いきれない部分も発生するようになります。ここでは有料プランに切り替えるべきタイミングをご紹介します。
契約件数が多くなった
契約件数が多くなると、月に契約できる件数に限りのあるサービスの利用は厳しくなりますので、有料プランを考えるタイミングとえます。有料プランの決め方ですが、これまで無料で使ったことのあるサービスの中から有料版を選ぶのが一般的です。なんといっても一度無料で使ったことがあるので操作性になれているという点がございます。
また、カスタマーサポートの担当者の連絡先を把握しており不明点をメールなどですぐに聞けるようになっているのであれば、そのサービスは自社にとってより使い勝手が良いものだといえるでしょう。
複数人で利用したい
会社の規模が大きくなるにつれ、利用する人数も増えるでしょう。より使い勝手を良くするために、複数人で利用したくなった場合は有料プランを検討するタイミングです。
さらに利用したい機能がでてきた
無料ではできない機能が頻発した場合も、有料プランを検討する良いタイミングです。無料プランを使う中でどのような機能がほしいかある程度明確になっている場合、自社にとって適切な有料プランを探すのは検討初期と比べるとさほど難しく感じないかと思います。まずは複数人の意見を参考にほしい機能を可視化し、その機能がそろっている有料プランを探してみてください。
よくあるご質問
最後に、電子契約の利用を検討中の皆様からよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 電子契約書を自分で作成して送れば、電子契約サービスの利用は不要ですか?
A:いいえ、法的根拠の面で考えると不要とはいえません。
確かにExcelやWordを使って作成した書類をメールで相手に送ることはできるので、電子契約書自体はかんたんに作ることができます。ただし法的根拠の面でみると、紙の文書のようにお相手が直接押印やサインをすることはできませんので、ただ電子契約書を作っただけでは、その文書の「本人性」と「非改ざん性」を証明するのに不安が残ります。そこを補うものとして、電子契約書には「電子署名」というものが必要になります。電子署名が施された文書の作成には、電子契約サービスがかんたんにできておすすめです。まずは無料で使えるものからお使いいただくと良いかと思います。
電子署名についてご興味がある方は以下コラムで詳しくご紹介しておりますので合わせてご覧ください。
Q2. 無料の電子契約でもセキュリティは安全ですか?
A:サービスによって異なりますので事前に確認しましょう。実際の契約締結を無料でお試しされる方もいらっしゃるかと思います。
その際には送信や保管される文書が暗号化に対応しているのか、サービス提供事業者へ確認のうえ利用すると良いでしょう。
DX-Signのセキュリティに関する詳細は、以下資料にて詳しくご紹介しております。
Q3. 全ての書類に電子契約は使えますか?
A:いいえ、中には電子契約が使えない書類もございます。以下は書面での契約が必須とされるものです。
・事業用定期借地契約
・企業担保権の設定又は変更を目的とする契約
・任意後見契約書
・特定商取引の契約書面
上記をメインにお取引されている場合は電子契約の利用はまだ難しいといえます。
詳細は以下をご覧ください。
(参考):「法律の改正後も電子契約化できない契約書」Q4. 無料の電子契約でもちゃんとしたサポートはありますか?
A:無料であってもサポート体制がきちんとしているサービスもございます。
DX-Signでは、導入時の設定や利用方法など基本的なサポートの他、社内で導入するための様々なサポートを用意しております。
無料でもサポートが整っているところから優先的に試してみて、電子契約に関しての相談をしっかりしておくのもおすすめです。
Q5. 電子契約を無料で使い続けても良い基準はありますか?
A:例えば、無料プランを用意しているサービスでは、毎月送信できる件数に制限があるケースが多いので、年間契約数がそれほど多くなく毎月5件以下の契約なのであれば無料を使い続けて良いかと思います。
ただ、今後契約数が増える見込みがあったり、欲しい機能が明確になっている場合は有料の検討が必要でしょう。そのため、無料プランと有料プランのどちらも用意があるサービスを予め選んでおくのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。無料で使える電子契約を存分に活用し、納得して導入できるようにしましょう。
なお、DX-Signではご利用前でもお客様からの様々なご相談を承っております。DX-Signに関する疑問はもちろん、電子契約に関するあらゆるご質問や導入のアドバイスをさせていただいております。以下よりお気軽にご相談ください。